BIOGRAPHY
H ZETTRIOは、H ZETT M(ピアノ/青鼻)、H ZETT NIRE(ベース/赤鼻)、H ZETT KOU(ドラム/銀鼻)による、日本発のインストゥルメンタル・ピアノトリオ。
ジャンルの境界を軽やかに越えながら、ジャズ、ファンク、ロック、ヒップホップ、ポップス、日本的な旋律まで、多彩な音楽要素を独自のサウンドへと昇華。
ピアノ、ベース、ドラムという最小限の編成から、スピード感、重厚なグルーヴ、緻密なアンサンブルを立体的に立ち上げる。
圧倒的な演奏力と即興性がありながら、決して難しく見せない。ライブでは、音楽ファンはもちろん、子どもから大人まで自然に巻き込んでいく。
オリジナル楽曲の制作を軸に、日本の名曲や世界のスタンダードも独自の解釈で再構築。
ジャンルや世代を越えて、ピアノトリオの新しい形を更新し続けている。
H ZETTRIOが生まれる前
2000年代、日本のインストゥルメンタルシーンでは、侍ジャズバンド・PE’Zがジャズをベースにロック、ファンク、ラテンなどを取り込み、国内外で精力的に活動していた。
高度な演奏技術をライブ・エンターテインメントとして見せること。ジャズを限られたリスナーだけのものにせず、ライブハウスや大型フェスで多くの観客を巻き込んでいくこと。
そうした日本のインストゥルメンタル・ミュージックの流れを経て、新しいピアノトリオが生まれる。2012
きっかけは、クリスマスソング。
2012年末、ソロで活動していたH ZETT Mがイベントでクリスマスソングを演奏することになり、その演奏のためにベースとドラムへ声をかけた。
ピアノ、ベース、ドラム。
この三人で音を鳴らしたことが、H ZETTRIO結成のきっかけとなった。
当初から長期的なバンド活動を想定していたわけではなかったが、三人で演奏する中から、それまでにはなかった新しいピアノトリオの形が生まれていった。
H ZETTRIO、始動
初ライブは、横浜赤レンガ倉庫にあったジャズクラブ、Motion Blue Yokohama。
現在は閉館しているこの会場が、H ZETTRIOとして最初に観客の前で演奏した場所となった。
12月4日には、1st Album 『★★★(三ツ星)』 をリリース。
「みんなのチカラ」「ぼくをみていた」「パノラマビュー」「Kids song」などを収録し、ピアノ、ベース、ドラムによる三人のサウンドを初めてアルバムとして形にした。
ここから、H ZETTRIOとしての活動が本格的に始まっていく。
モントルー。そして、FUJI ROCKへ
スイスで開催される世界有数の音楽祭「Montreux Jazz Festival」に出演。
この出演を大きなきっかけとして、H ZETTRIOは本格的な活動を開始する。
結成から間もない段階で、日本国内だけではなく海外のステージに立ったことは、その後の活動の方向を示す大きな出来事となった。
そして7月25日、「FUJI ROCK FESTIVAL ’14」に初出演。
ステージは、苗場の最奥部に位置していたORANGE COURT。初日のトップバッターとして登場した。公式FUJI ROCKの記録にも、2014年ORANGE COURT出演アーティストとしてH ZETTRIOの名前が残されている。
演奏が始まると、そのアクロバティックなピアノと強力なベース、ドラムのアンサンブルに引き寄せられるように観客が増えていった。
翌2015年からORANGE COURTはFUJI ROCKのステージとして使用されなくなったため、H ZETTRIOはその最終年に出演したアーティストのひとつとなった。
Montreux Jazz FestivalからFUJI ROCKへ。
活動初期からジャズクラブだけにとどまらず、国内外の大型フェスへ活動の場を広げていった。
“笑って踊れる”ピアノトリオへ
全国各地でライブを重ねながら、H ZETTRIO独自のスタイルを確立していく。
2月からは配信シングルを連続して発表。11月には、2nd Album 『Beautiful Flight』 をリリース。
「Beautiful Flight」「Trio,Trio,Trio!!!」「Neo Japanesque」「Get Happy!」など、その後もライブで重要な役割を担う楽曲が収録された。
高度な演奏技術と即興性を持ちながら、観客が踊り、笑い、初めてジャズに触れる人でも楽しめる。
現在のH ZETTRIOにつながるライブスタイルが、この時期により明確になっていった。
こどもの日。そして、世界中が見たステージへ。
5月5日、東京・ティアラこうとう 大ホールで「WONDERFUL FLIGHT TOUR 2016 ~Acoustic & Electric~ こどもの日Special」を開催。
これが、後に毎年恒例となる「こどもの日スペシャル」第1回となった。
当時のティアラこうとうの資料にも、2016年5月5日の大ホール公演として記録されている。
子ども向けだからと音楽そのものを簡単にするのではなく、大人と子どもが同じ場所でH ZETTRIOの演奏を楽しむ。
この考え方は、その後10年以上続く「こどもの日スペシャル」の基本となっていく。
同年には、3rd Album 『PIANO CRAZE』 をリリース。
そして8月、リオデジャネイロオリンピック閉会式で行われた東京2020オリンピック・パラリンピックの引き継ぎ式で、H ZETTRIOの楽曲が使用された。
世界中が見つめる舞台で、日本から生まれた三人のインストゥルメンタル・ミュージックが流れた。
国内では次の世代へ、そして海外へ。
H ZETTRIOの存在が大きく広がった一年となった。
FUJI ROCKへ再び。前夜祭からWHITE STAGEへ
3年ぶりにFUJI ROCK FESTIVALへ出演。まず7月27日の前夜祭に登場し、本祭開幕前の苗場を盛り上げた。
そして7月29日、本祭2日目にはWHITE STAGEへ。
午前11時30分から演奏をスタート。雨の中でも観客が集まり、H ZETTRIOならではのスピード感とグルーヴでステージを沸かせた。FUJI ROCK公式の2017年ヒストリーにも、WHITE STAGE出演アーティストとして記録されている。
2014年のORANGE COURTから、2017年の前夜祭、そしてWHITE STAGEへ。異なるステージで出演を重ね、ライブバンドとしてのH ZETTRIOの存在感をFUJI ROCKでも確立していった。
11月にはConcept Album 『H ZETTRIOのChristmas Songs』 をリリース。
クリスマス・スタンダードとオリジナル曲をH ZETTRIO独自のアレンジで収録。後に恒例となっていくクリスマス公演にもつながる重要な作品となった。
日本の名曲を、H ZETTRIOの音へ。
3月、4th Album 『Mysterious Superheroes』 をリリース。
「What’s Next」「Z ディスカバリー」「Fusion in Blue」「SEVEN」「NEWS」などを収録し、ライブで進化してきたH ZETTRIOのサウンドを形にした。
そして4月、フジテレビで「速度の音楽」がスタート。
日本で長く親しまれてきた楽曲を選び、H ZETTRIOならではのアレンジによって新しい音楽として再構築するプロジェクトだった。
その後、テレビ神奈川へ舞台を移し、「SPEED MUSIC −ソクドノオンガク−」として継続。
オリジナル曲だけではなく、世代を越えて残る名曲を三人の演奏で現在形にする。
「SPEED MUSIC」は、H ZETTRIOの活動を代表する大きな柱へと成長していった。
毎月1曲。新しい挑戦が始まる。
1月1日、「Journey」をリリース。ここから、毎月1日に新しいオリジナル曲を発表する連続シングル配信がスタートした。
当初は12ヶ月連続企画として始まったものだった。ライブ活動、「SPEED MUSIC」、レコーディングを並行しながら、毎月必ず一曲を完成させて発表する。12月までの12ヶ月を完走したが、三人はそこで終了しなかった。
翌2020年もそのまま新曲の発表を継続。この時点ではまだ、これが8年以上、100作まで続くプロジェクトになるとは決まっていなかった。
ライブが止まった時代にも、制作は止めない。
1月、5th Album 『RE-SO-LA』 をリリース。前年に毎月発表してきた楽曲を軸に、2019年の創作活動を一枚の作品としてまとめた。
同年、新型コロナウイルスの感染拡大によって、ライブやイベントを取り巻く環境は大きく変わった。
観客を入れた通常のライブが困難となる中、H ZETTRIOは配信ライブなど新しい方法で演奏を届け続ける。
そして、2019年から始まった毎月の新曲リリースも一度も止めなかった。
また、3月にはConcept Album 『SPEED MUSIC ソクド ノ オンガク Vol.1』、9月にはVol.2をリリース。テレビとYouTubeから始まった「SPEED MUSIC」も、作品として蓄積されていく。
FUJI ROCK、三度目のステージ。
コロナ禍の中でも毎月の新曲制作とライブ活動を続ける。
そして8月、「FUJI ROCK FESTIVAL ’21」に出演。
2014年のORANGE COURT、2017年の前夜祭とWHITE STAGEに続き、今度の舞台はRED MARQUEE。
ORANGE COURT、WHITE STAGE、RED MARQUEE。
それぞれ性格の異なるFUJI ROCKのステージに立ち続けてきたことは、H ZETTRIOが特定のジャンルや会場規模に縛られないライブバンドであることを示すものとなった。
9月には6th Album 『トリオピック ~激闘の記録~』 を発表。
コロナ禍という特殊な環境の中で生まれた楽曲を収録し、その時期のH ZETTRIOの活動を記録する作品となった。公式ディスコグラフィーでも2021年発表作品として掲載されている。
再び、観客のいるステージへ。
ライブ活動が徐々に本来の形を取り戻していく中、H ZETTRIOも全国のジャズクラブ、ホール、フェスへ。
2月には7th Album 『Kazemachizuki』 をリリース。毎月新しい楽曲を作る活動と、ライブで演奏を育てる活動。
その二つを並行して続けるスタイルが、H ZETTRIOの日常になっていった。
また「SPEED MUSIC」も継続し、日本の名曲を独自のアレンジで残していく活動を続ける。
オリジナル、カバー、ライブ。
三つの軸が同時に動き続ける現在のH ZETTRIOの活動スタイルが、この時期には完全に定着していた。
60ヶ月。積み重ねが世界記録になる。
6月、8th Album 『Beat Swing』 をリリース。
そして12月。2019年1月から続けてきた毎月の新曲リリースが、60ヶ月に到達する。
60作目となる「Dynamics」を発表し、「単一音楽ユニットによるデジタルシングル連続リリース月最多数」としてギネス世界記録に認定された。
5年間、一度も途切れることなく毎月新しい楽曲を作り、録音し、発表する。
一曲のヒットによるものではなく、制作を継続してきた時間そのものが世界記録になった。
しかし、60作はゴールではなかった。
H ZETTRIOは翌月も新曲を発表し、そのまま記録を更新し続けた。
世界記録の先へ。
3月、9th Album 『Dynamics』 を発表。
「Strawberry Jam」「Sky」「Synapse」「架空都市」「宵宵雪花」「Dynamics」など、毎月の連続リリースから生まれた楽曲を収録。
ギネス世界記録達成後も、毎月1日の新曲発表は変わらず続いた。
ジャズをベースにしながら、ファンク、ロック、ヒップホップ、日本的な音楽要素までを自由に取り込む。
同じピアノ、ベース、ドラムという編成でも、曲ごとに異なる景色を作ることができる。
長期的な連続リリースは、H ZETTRIOの音楽的な幅そのものを広げていった。
10枚目。その先のサウンドへ。
3月、10th Album 『Dosukoi SS』 を発表。
長年追求してきた三人だけのアンサンブルを軸にしながら、新しいサウンドにも取り組む。
サックス奏者Yucco Millerとのコラボレーションでは「Mood in the Dancing feat. Yucco Miller」「Unbound」「Continue」などを発表し、Concept Album 『Dazz On』へと発展した。
三人だけで完成させてきたH ZETTRIOの音楽に、新しい音を加える。長い活動を経ても、スタイルを固定するのではなく、その可能性を広げ続けた。
そして毎月の連続シングル配信も7年目へ入った。
「こどもの日スペシャル」10周年。そして11作目。
5月5日、LINE CUBE SHIBUYAで「H ZETTRIO LIVE 2026 こどもの日SP ~10th Anniversary~」を開催。
2016年、ティアラこうとうから始まった「こどもの日スペシャル」が10周年を迎えた。
10年前、親と一緒に会場を訪れていた子どもたちの中には、すでに中学生、高校生へと成長した観客もいる。
大人と子どもを分けず、同じ音楽を同じ空間で楽しむ。この考え方は10年間変わらず続いてきた。
6月17日には、11th Album 『QUESTUNE』 をリリース。公式ディスコグラフィーでも11作目のオリジナルアルバムとして位置づけられる最新作となった。
テーマは「QUEST MAP=音の探検図」。
即興性と緻密な構成、三人の瞬発力とアンサンブル。
ジャズトリオという長い歴史を持つ編成を使いながら、現在のH ZETTRIOにしかできないサウンドを提示している。
一方、2019年から続く毎月のシングル配信も継続。この時点で、次の大きな節目となる100作が見えてきた。
100作。連続配信のゴールへ。
2019年1月の「Journey」から始まった毎月のシングルリリースは、2027年4月、100作目に到達する予定。
8年以上、一度も途切れることなく毎月新しいオリジナル曲を制作し、発表する。
60作目ではギネス世界記録を達成したが、その後も40作を積み重ね、100作まで継続する。
そして、この100作目をもって、毎月の連続シングル配信プロジェクトはひとつのゴールを迎える。
翌5月には、恒例の「こどもの日スペシャル」を開催予定。
2016年から続く代表的なライブシリーズと、2019年から続けてきた100作の連続リリース。
H ZETTRIOを長年支えてきた二つの活動が重なるこの公演は、100作達成を記念する特別なステージとなる予定だ。
連続配信という一つの長期プロジェクトを終えたH ZETTRIOが、その先でどんな音楽を作るのか。
ピアノ、ベース、ドラム。三人による次の展開が、ここから始まる。